バトルズの新譜が出た。嬉しい。
ただ2人体制になってからというもの聞いていなかったので一抹の不安もあった。
全く杞憂であった。より骨骨しい反復を聞かせてくれるようになった。
それでは全曲感想を書いていきたい。
アルバム全曲感想
01. Ambulance
よりリズムに主体のある一曲になっている。ベースのリフとドラミングが文字通り屋台骨になっている。
捻くれというか、今までだとここにボーカルの面白エフェクトとかを入れてよりカオスにしてきた。ただ、今回はそういうことをしていない。よりストイックに曲が進む。
02. A Loop So Nice...
ドラムが気持ちいい。ジャストにかゆいところを書かれるかのように叩いてくれる。
ふつうは後ろにドラム、前にシンセという感覚ではあるが、この曲(バトルス全体にも言えるが)はドラムが前にとても出ている。
03. They Played It Twice feat. Xenia Rubinos
今回は様々なボーカリストをゲストとして招いている。この曲はXenia Rubinosがボーカルを取っている。
先ほどと同じ展開だがよりアタック音が強くなっている感覚を受ける。さらにボーカルが入るだけでより壮大さが増す。一つの展開で2回楽しめる。
04. Sugar Foot feat. Jon Anderson and Prairie WWWW
最初の中国語のようなリリックが印象的である。ただただ英語を入れることをしないで、言語として言葉を使わないことでこれまたリズムにアクセントを与えていて味わいがある。
途中からより展開に変化がある。3拍子だったものが4拍子になる。そしてまるで阿波踊りのようなハネのあるリズムになる。BPMも上がる。そしてその展開が入れ替わる。もう何を聞いているのか分からない。つまりそれがBattlesを聞いているということである。
05. Fort Greene Park
初めの2分はゆったりと不自由な音程が続く。しかしドラムが入るとしっかり枠組みが見えてくるのだ。ズームインをしていたものが時がたつにつれてズームアウトしていき全体像が見える。
派手さはないがしっかりと聞かせてくる。そういう曲もないと疲れてしまうからありがたい。
06. Titanium 2 Step feat. Sal Principato
先に公開をされていた曲。所謂バトルス感がある。が、前までのアルバムに入っているかと言われると微妙。やっぱりこれって感じにもなっているし、違うともなる不思議さ。
MVと一緒に見ると目がチカチカして洒落。
07. Hiro 3
何か夜の美術館にでも迷い込んでしまった感覚。ナイトミュージアム。
08. Izm feat. Shabazz Palaces
最初はただShabazz Palacesの曲かと思う。ドラムが入るといきなりバトルス。途中の電話のようなシークエンスな音階のシンセが個人的にはツボで10回リピートした。
個性がぶつかって増長されている。
09. Juice B Crypts
やっぱり自分的にタムの使い方がバトルスの特徴の一つであると思っているのだが、この曲はそれが存分に発揮されている。ドコドコやっていてアフリカの民族かなと思えるほどである。
ただシンセの音が安らげるので調和になっている。このアンバランスが曲を保っている。
10. The Last Supper On Shasta feat. Tune-Yards
パートが2つに分かれている。どちらもインダストリアルな感じであるがどんどん変化していき、最終的にはピアノで締められる。
何か音楽の遍歴をこの数分で感じ取れるものになっている。
11. Yurt feat. Yuta Sumiyoshi (Kodo)
最後には鼓動という和太鼓奏者の人が参加している。祭りのようなリズムに篠笛。バトルスが日本を分解するとこうなるのだろう。
これでこのアルバムは終わる。
確かにカオスさは減っている。だが、より強靭なビートなアルバムが出来上がった。