pp響く音

音楽とか自分の経験したこと

2019年に全くビートルズを知らない自分が聞いてみる

 ビートルズは今のジャンルのだいたいの祖先だから、という話をめちゃめちゃ聞く。世にいうビートルズおじさんに私は出会ったことはないが何か巨大な力が聞けというようだ。

 

ただ

なんだかハードルが高い。

 

 

主に1960年代に活動したロックバンド。1962年10月にレコードデビュー、1970年4月に事実上解散。
ギネス・ワールド・レコーズに最も成功したグループアーティストと認定されている。また「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」に於いて第1位に選出されている。

ビートルズ - Wikipedia

 文字から食らう大物感。そして、感ではないのだろう。聞く前からひれ伏してしまいそうだ。

 

 今”Yesterday”というビートルズのいない世界に一人だけビートルズを覚えているという映画がやっているらしい。興味が出てきた。

 

 ならばすべてのアルバムを2019年の今に聞いてみたいと思った。本当に何がよいのかを知りたいのだ。

 

 そこでオリジナルアルバム13枚をすべて聞いて感想を書く。ただ、あくまで楽曲のみを聞くのでその裏の背景やエピソードなどはあまり考えずに今の感覚を持って聞いていきたい。エピソードとか背景などはそれこそ数多の先人がまとめていると思うためにそこには触れずにいきたい。

 

 では聞いていきたい。

 

全てアルバム感想 

 

1 Please Please Me

1. I Saw Her Standing There            
2. Misery
3. Anna (Go To Him)
4. Chains
5. Boys
6. Ask Me Why
7. Please Please Me
8. Love Me Do
9. P.S. I Love You
10. Baby It's You
11. Do You Want To Know A Secret
12. A Taste Of Honey
13. There's A Place
14. Twist And Shout

 

 1963年となるともう想像がつかない。ボーカルの位相が右に全振りしてあるところが面白いと思った。P.S.I Love Youなどは緩やかさを感じていい。だが正直昔の音楽という所がぬぐえなく、これから先も聞くと思う作品ではない。

 

2 With The Beatles

1. It Won't Be Long
2. All I've Got To Do
3. All My Loving
4. Don't Bother Me
5. Little Child
6. Till There Was You
7. Please Mister Postman
8. Roll Over Beethoven
9. Hold Me Tight
10. You Really Got A Hold On Me
11. I Wanna Be Your Man
12. Devil In Her Heart
13. Not A Second Time
14. Money

 

 こちらも1963年の曲。どんだけ曲を作るのだ。All My Lovingは何というかシンプルとかそういう話でなく音のレトロさがツボであった。

 

 というか14曲入っていて33分は一曲が短い。ラジオ全盛期ということもあって短さを意識しているのかと思わざるを得ない。今聞いてみるとすんなり次に行くので聞き疲れがないので結構いい。

 

3 A Hard Day’s Night

1. A Hard Day's Night
2. I Should Have Known Better
3. If I Fell
4. I'm Happy Just To Dance With You
5. And I Love Her
6. Tell Me Why
7. Can't Buy Me Love
8. Any Time At All
9. I'll Cry Instead
10. Things We Said Today
11. When I Get Home
12. You Can't Do That
13. I'll Be Back

 

 1曲目のA Hard Day’s Nightは私も知っていた。ただロックというよりはポップさが勝っている。それは悪いことではないのだが自分の中ではもっと捻くれというかそういうものがあると思い込んでいたのでびっくりしている。

 

4 Beatles for Sale

1. No Reply
2. I'm A Loser
3. Baby's In Black
4. Rock and Roll Music
5. I'll Follow The Sun
6. Mr. Moonlight
7. Medley: Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey
8. Eight Days A Week
9. Words Of Love
10. Honey Don't
11. Every Little Thing
12. I Don't Want To Spoil The Party 
13. What You're Doing
14. Everybody's Trying To Be My Baby 

 

 悪いが正直ただ33分聞いたという感じ。前から変わっている感じはよく分からない。ビートルズおじさんに怒られそうである。

 

5 Help!

1. Help!
2. The Night Before
3. You've Got To Hide Your Love Away
4. I Need You
5. Another Girl
6. You're Going To Lose That Girl
7. Ticket To Ride
8. Act Naturally
9. It's Only Love
10. You Like Me Too Much
11. Tell Me What You See
12. I've Just Seen A Face
13. Yesterday
14. Dizzy Miss Lizzie 

 

 なんでも鑑定団。そしてかのyesterdayがある。だがこれも正直まあなんというか変わっているという実感はない。よく分からん。I've Just Seen A Faceはいいと思った。このままだとやばいかもしれない。

6 Rubber Soul

1. Drive My Car
2. Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
3. You Won't See Me
4. Nowhere Man
5. Think For Yourself
6. The Word
7. Michelle
8. What Goes On
9. Girl
10. I'm Looking Through You
11. In My Life
12. Wait
13. If I Needed Someone
14. Run For Your Life 

 

 一曲目のDrive My Carを聞いておおっと思った。なんだが今までの古さとは違う。いや、もちろん1965年のアルバムなので古いのだがエナジーを感じる。それぞれの楽器がしっかりと役割を果たしている。これがスタンダードであるのかと思わされた。

 

 The Wordの小刻みにうねるベースは曲に説得力を増すし、Norwegian Woodのシタールはメロディに対して効果的である。What Goes Onのギターはロックンロールな音色になっている。

 

 In My Lifeのコーラスは嗜好。バックの楽器と相まって耳にやさしい甘い感覚を受けた。

 

 今迄のアルバムの感想と比べて長くなっていることも含めてこれまでの中で一番聞きやすく、ロックで、そしてスタンダードであると感じる。これがビートルズなのか。ワクワクしてくる。

 

7 Revolver

1. Taxman
2. Eleanor Rigby
3. I'm Only Sleeping
4. Love You To
5. Here, There and Everywhere
6. Yellow Submarine
7. She Said, She Said
8. Good Day Sunshine
9. And Your Bird Can Sing
10. For No One
11. Doctor Robert
12. I Want to Tell You
13. Got to Get You into My Life
14. Tomorrow Never Knows

 始まった。そんな始まりである。クールである。一曲目を外さないというのが名アルバムの条件であると無意識の思っていたがそれはこのビートルズからきているのか。

 

 エスニックな要素も存分に入っているので一本調子にならずに聞きごたえが出てくる。Love You Toなどは顕著にそうである。

 

 Yellow Submarineは波の音が入っている。所謂サンプリングといわれる自然の音などを曲の中で使う技法が使われている。詳しくは分からないがこの時期にそういうことをしているというのは実験的であると思った。

 

 

8 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

1. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
2. With A Little Help From My Friends
3. Lucy In The Sky With Diamonds
4. Getting Better
5. Fixing A Hole
6. She's Leaving Home
7. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
8. Within You Without You
9. When I'm Sixty-Four
10. Lovely Rita
11. Good Morning Good Morning
12. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
13. A Day In The Life

 

 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)などのギターの音がいい。すべての曲の完成度が高く、多彩さがにじみ出ている。

 

 ただ、Rubber Ballの衝撃は越えてこない。

 

 

9 Magical Mystery Tour

1. Magical Mystery Tour
2. The Fool On The Hill
3. Flying
4. Blue Jay Way
5. Your Mother Should Know
6. I Am The Walrus
7. Hello Goodbye
8. Strawberry Fields Forever
9. Penny Lane
10. Baby You're A Rich Man
11. All You Need Is Love

 

 サイケオブサイケ。いまTempalayとかSuchmosとかのやっているジャンルなんていうのは大昔にビートルズがやっているのかと思うと感慨も深い。

 

 Flyingの耳がどこを聞いているかわからなくなるような浮遊感やBlue Jay Wayのシュワシュワ感。Hello Goodbyeで一気に視界が開けるような感覚を覚え、Baby You're A Rich Manでまたもやサイケデリックな世界に戻したと思ったら最後のAll You Need Is Loveで大円団。アルバムのつくりとしてのテンプレートになっている。

 

 まずい。ビートルズおじさんの言う言葉っぽくなってきた。

 

10 The Beatles

Disc 1

1. Back in the U.S.S.R.
2. Dear Prudence
3. Glass Onion
4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
5. Wild Honey Pie
6. Continuing Story of Bungalow Bill
7. While My Guitar Gently Weeps
8. Happiness Is a Warm Gun
9. Martha My Dear
10. I'm So Tired
11. Blackbird
12. Piggies
13. Rocky Raccoon
14. Don't Pass Me By
15. Why Don't We Do It in the Road?
16. I Will
17. Julia

Disc 2

1. Birthday
2. Yer Blues
3. Mother Nature's Son
4. Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
5. Sexy Sadie
6. Helter Skelter
7. Long, Long, Long
8. Revolution 1
9. Honey Pie
10. Savoy Truffle
11. Cry Baby Cry
12. Revolution 9
13. Good Night

  二枚組。ひたすらにボリュームがある。サイケ感やロックンロール感は抜け、よりポップ。Ob-La-Di, Ob-La-Daは聞いたことがある曲ではあったがいざフルで聞くといいことをした気分になれてお勧め。

 

 ただ、少しパンチが足りないとも感じる。聞く気がなくても流れていく感じがある。まあ、͡この30曲ほどのボリュームをすぐと思わせるあたりは流石であるということなのか。

 

11 Yellow Submarine

1. Yellow Submarine
2. Only A Northern Song
3. All Together Now
4. Hey Bulldog
5. It's All Too Much
6. All You Need Is Love
7. Pepperland

8. Sea Of Time
9. Sea Of Holes
10. Sea Of Monsters
11. March Of The Meanies
12. Pepperland Laid Waste
13. Yellow Submarine In Pepperland

 もうそろそろ終わりと思うと感慨深い。Hey Bulldogのベースのポコポコとした音ハすごく居心地がいい。

 

 oasis(というかノエル)がよくカバーするAll You Need Is Loveもこのアルバム。終わり、って感じになっている。夕焼けを見ながら聞きたい。

12 Abbey Road

1. Come Together
2. Something
3. Maxwell's Silver Hammer
4. Oh! Darling
5. Octopus's Garden
6. I Want You (She's So Heavy)
7. Here Comes The Sun
8. Because
9. You Never Give Me Your Money
10. Sun King
11. Mean Mr Mustard
12. Polythene Pam
13. She Came In Through The Bathroom Window
14. Golden Slumbers
15. Carry That Weight
16. The End
17. Her Majesty

 

 ここにきてまた一つ変化が生まれた。よりヘヴィさが増した感じがする。Come TogetherはゆっくりしたBPMなのに前への推進力というのかよりパワーに溢れているのが分かる。

 

 Oh! Darlingのボーカルの声はJBかと思うほどにソウルフルかつ、セクシーである。艶っぽさに男くささという一種のボーカル像の完成形であると思わされる。

 

 個人的にはMean Mr Mustardのなんとなく気だるい感じが好きである。かつ、かっこいい。

 

 ただこのアルバムは曲によって全く系統が異なる。そのおかげで様々なものを一個にして聞けるのがよい。

13 Let It Be

1. Two Of Us
2. Dig A Pony
3. Across The Universe
4. I Me Mine
5. Dig It
6. Let It Be
7. Maggie Mae
8. I've Got A Feeling
9. One After 909
10. The Long And Winding Road
11. For You Blue
12. Get Back

 正真正銘の最後のアルバム。なんだか曲自体にも哀愁漂うというのか、悲しげであると思ってしまうのはバイアスであろうか。

 

  アコースティックな印象をとても強く受ける。そして全体的に音が少ない。ここも寂し気な雰囲気を醸し出すことに一役買っていると思う。

 

 言わずもがなLet It Beの名曲感はすごい。もはや我々のDNAレベルに刻み込まれているともいえるのか。いい塩梅である。そして壮大なビートルズという旅はここで終わるのだ。

 

 

 

全部聞いてみて聞くべきものは

 すべてのオリジナルアルバムを聞いてみた。相当なボリュームではあったものの中々に面白かった。バンドの原点というものを触れるということは自分のこれからの音楽を聞くということにも影響を与えそうである。

 

 

 そしてビートルズのアルバムを聞いてみて聞くべきアルバムを考えた。答えは結構すぐに出た。

 

 

 

 

 

 

 

 ベスト盤を聞きましょう。先人のそれもマニアの人間が選んだ曲に間違いはない。プレイリストでも何でもいいと思うのでそれを聞く。それがよい感じでつまみ食いできるだろう。

 

 

 全部聞いてベスト盤がいいというの皮肉なものだが、ぜひ聞いたことのない人間はベストから入ってほしい。