zazen boysというバンドがある。そこでベースを弾いていた吉田一郎
という人間がいた。
この人のソロプロジェクトについて書きたい。
吉田一郎不可触世界とは
1982年生まれ。「12939db」を経て2007年Zazen Boysに加入。2017年に脱退。
Zazen Boysについて書くともう一つの記事が必要になるので多くは書かないが、彼の特徴として極太でタイトなベースを弾いていたところにある。テクニカルに野太いベーシストということを念頭に置いて彼のソロアルバム「あぱんだ」を聞いてほしい。
あぱんだ
歌ものになっている。ベーシストのソロだとテクニック自慢大会みたいになることも多いのだがしっかりと曲を作り上げている。
さらにピアノの綺麗な旋律などはポップでありながら、後ろになっているベースは異様さに溢れている。シンセの音はひと昔前のテクノ感がある。
よくいろいろなジャンルが混ざっている曲はクロスオーバーなどと呼ばれるが、彼の楽曲の場合「闇鍋」という感じを受ける。何が出てくるか分からない、そんなぶち込み感と風貌的にそのような感覚を覚えた。
この曲はZazenでも見せているようなゴリゴリなベースになっている。漂流しているのかと思うほどの裏のギターやシンセ。そして多様な面を見せるボーカル。
ラップかと思いきや伸びやかに歌う吉田一郎。聞いていて展開があるために飽きが来ない。
YouTubeにはないのだが「たまプラーザ」という曲がある。その曲はぜひ聞いてほしい。アコギと木琴のような音、軽いパーカッションしかないのだがシンプル上に彼の本息が分かる。
その曲にはベース自身は入っていないのだが鳴っているようである。一流のベーシストはベースを弾かなくても存在感を出せるのだと感心した。