本日恵比寿ガーデンプレイスにて行われたBattlesのライブに行ってきた。それはもう衝撃だったので感想を書かずには居られなかった。
もうとりあえず凄かった。
一つ言っておくが完璧に自分の思い出用ではあるがよろしくお願いしたい。
平沢進
まずスペシャルアクトとして平沢進が出てきた。この発表はびっくりした。バトルスと平沢進というインパクトにはなかなか勝てない。
本人が自分は前座である、と言っていたがその通り20分程しかライブを行わなかった。ただその20分で残したものは大きい。
何をしているのか分からないというのが正直なところだ。まるで魔術師であった。
なんだかよく分からない楽器によく分からん仮面を被った人。そしてギターが嫌いなのにギターが物凄くうまいTwitterを駆使する男。
これだけ見るともう色物なのかと思うかもしれないが全くそんなことはない。そして何者とも形容しがたい奇想天外かつ変態かつカリスマとしか言いようがなかった。
そしてより驚いたのが意外にも踊れるようなサウンドになっていることである。音源だけ聞くと彼の独特の音程感が際立っているためにじっくり賞味する音楽になっている。
今回ライブで聞くとそのイメージだけではないと思った。イメージが覆ったわけはなくその上に付け加えられたという感じである。
賞味もできてかつリズム、低音ががっつりしている。そのためにじっくりと賞味できるかつノリもよいというバランスを維持していた。
たった20分ではあった。彼の場合だと20分でも十分であるということなのか。
Battles
そしてBattlesの登場である。先ほどの平沢進の素晴らしすぎるライブの後でこちらがひやひやしたがその心配などは必要がないものであった。
今回は新譜”Juice B Crypts”から多くの曲をした。セットリストなどをはっきりと覚えているわけではないが。また、the yabbaやAtlasなども二人になった今でも見せてくれた。
第一にやはり音楽とはリズムを刻むものであると思った。
ジョンのドラムが凄い。力いっぱい叩いているのだがそのパワーに圧倒される。バンドであることを思い起こさせてくれると同時にイアンのギターキーボードの凶悪なエレクトロが重なることで踊る音となる。
特にバスドラとベース部分の低音の迫力が凄い。耳が全身についているのかという感覚にさえ陥った。
ロックとクラブの音楽の融合であるのだ。
”The yabba”のシンプルなドラムには恐怖さえ覚えた。バスドラとスネアのみのフレーズになる部分があるのだが二人かつそのミニマムさが究極にグルーブをしていた。
Battles - The Yabba (NYC Live Session)
”Titanium 2 Step”では楽曲よりもより重厚なものになっていた。かつ二人である。不思議であるし矛盾をしていると思うかもしれないのだがこれがもう一緒になっているのだ。文字にすると違和感があるが共存していたのだ。
"Atlas"ではどんどんループを重ねていく方式で作っていった。途中でタムの特徴的なフレーズが出てきて何をしようと分かると大きな歓声が上がった。
「Whoa,ey,oh」と合唱するとは思わなかったがこれはこれでいいとも思った。
そして最後に”Ambulance”であったのだがここに彼らのすべてが詰まっていたといっても間違いはないだろう。
2人というミニマムな編成である。そして曲自体もミニマムである。そこにマイナスなことは一つもない。嘘偽りなくダンスミュージックである。
途中で低音パートの部分とドラムだけになるところがあるのだがそこが一番の肝であると思った。人の最初の音が何であったのか、それが少し分かった気がする。
彼らもライブの長さ的には1時間ほどであった。アンコールもなかった。なんとなくアンコールはないだろうとうすうす会場の方々は気づいていたが変えることなく拍手をつづけた。
寧ろあれはアンコールというよりは素晴らしいプレイをしてくれたBattlesと平沢進への賛辞であるとも思った。
あの高すぎるシンバルは煌々と光っていた。