アーティストの名前というものは結構重要である。
NirvanaがGreen Dayという名前でもし活動していたらちょっと違う気がする。
このGoGo Penguinはそういう意味では名前のイメージの可愛らしさとは乖離している。
GoGo Penguinとは
UK出身のジャズトリオ。ジャズとは言ったもののそこまで真っすぐなジャズというわけではない。さらに言うとロバートグラスパーのようなジャズにヒップホップやR&Bの要素を加えたわけでもない。ポストロックやIDMっぽさが入っているエレクトロ志向の強い楽曲になっているために、様々な視点で楽しめる。
彼らの面白いところというと全員聞いてきた音楽の違いである。
ベースのNick Blancaはウェスト・ヨークシャーのリーズ音楽大学でジャズを専攻しており、ピアノのChris Illingworthはもともとクラシック、ドラムのRob Turnerもともとオーケストラなどで演奏してその後インディーバンドやジャズ、ブルースのバンドのドラムをするなど様々である。
ジャンルをクロスオーバーしてエレクトロという共通項で繋がっているためにいろいろな雰囲気をミックスしたような感覚を感じるのだ。
無機質さと呼吸
GoGo Penguin - All Res (Official)
ドラムはどちらかというと打ち込みのような感覚を受ける。それだけタイトともいえるとは思うが、いい塩梅を出している。ピアノがあまりジャズっぽくない印象を受ける。綺麗な音でいわゆるブルーノートと呼ばれるようなジャズ独特の響きの印相は薄い。またベースはピアノとドラムの間を動くようになっている。3人だとベースがやたらと弾くということになりがちだが音を抜くとこで抜くというアダルティーな低音である。
GoGo Penguin - Branches Break (Radio Edit)
これも面白い取り組みだ。ドラムがスリッパのような鈴を手に持ってたたいている。リズムに工夫をしている。またベースはウッドベースに少しコーラスのような空間系なエフェクトをかけている。
様々なジャンルをクロスオーバーしているといったが彼らは間違えなくジャズである。なぜならばとても実験的でもあるからだ。