削ぎ落としていくということはとても難しい。むしろ付け足していくことの方が簡単であったりする。
なぜならば削ぎ落とすということはその事の本質を理解していくということに直結いており、さらにそのラインを見定めないといけないからだ。
この左右というバンドはその削ぎ落としに傾倒していると言える。
左右とは
桑原美穂(Vo,Gt)と花池洋輝(Vo,Ba,Dr)の二人組。今までに2枚のアルバムをリリースしており、2019年にはにはドイツでライブをした。
個人的にベースの人の風邪を引いた加瀬亮みたいな顔が好きだ。
2ピースバンドというと打ち込みであったりサポートを入れて音数を増やすことが一般的であるが彼らはそう言ったものは入れず生音、それも彼らのできる範囲で表現している。
これが彼らの曲である。
バスドラとハイハットとベースを弾くのは器用だと思った。
同じフレーズを繰り返している。そしてリズム(ドラム)が点でしかないためにとても跳ね上げるノリになっている。アプローチは違うがビリーアイリッシュのようなミニマムで耳に残る音楽ということをしているという点ではまさに最先端を走っていると言える。
あの向井秀徳氏は「瀬戸内の鯛のような跳ね方」と形容したらしいがまさにそうである。生物の動くような不規則であり生き生きしい。
不穏な盆踊りといったところか。風邪を引いた日にみんなが学校にいる時間、自分だけNHKのみんなのうたを見ているあのざわざわした感じによく似ている。
でもその不穏さはとても身近さがある。お化け屋敷とかそういうことじゃなくもっと日常のなにか。
不穏でかつ中毒性がある。そこに魅力がある。
話は変わるがこれが面白い。見てみてほしい。