音楽には肉体が必要である。演奏するのにも、もちろん聞く時にも肉体を介している。
バンドミュージックなどはこの話が分かりやすいとは思うが、一方で電子音楽などは実感がないかもしれない。ただ、serphは違う。
serphとは
東京のエレクトロアーティストである。2009年からアルバムを発表し続けてきて、今までに10枚以上リリースしている。またreliqやN-qiaという別名義の活動をしていたり、the hiatusや平井堅などの楽曲のリミックスも行うなどとてもアクティブである。あるインタビューによると年間300曲ほども作っているという。最近はライブ活動なども多くしているらしい。
温度がある
一般的なエレクトロミュージックと呼ばれるものとは少し違うことが直ぐにわかる。
おもちゃのような可愛らしい音やドラム、ウッドベースにクラップ。これらがすべて美しくあるためにあまりゴリゴリにならずむしろ柔らかさを感じる。
4分の曲であるはずなのに絵本を読むかのような物語を体験するような面白さがあると思う。
こちらはビートはドラムンベースのようになっているために硬派なエレクトロの要素もあるが女の声が入っていたり美しい上物があるためにとても楽しいものになっている。
メロディ口ずさめるほどに強力なために聞きやすさであったり「人間感」であるものを感じ取れる一曲になっている。
質も量も
serphは2019年4月から9か月連続でひと月ごとにシングルを発表している。これにとてつもなく覚悟を自分は感じた。
そして発表されているものは雰囲気は違うがserphの曲であるとすぐにわかるようなものになっている。
"Upcycler"は歌詞こそないものの歌ものであると言えるほどにポップかつ美しい。また、"Baby Dub"はより生音に近くなっていっていてこれを聞きながら家庭菜園をしたくなるようなオーガニックさがある。
今現在で多くの作品があるserph。これからも出るであろう様々な曲に期待をしてしまう。