音楽は日々たくさんのものが生まれる。ポップスだったりヒップホップだったりする。既存のジャンルの中より洗練されたものを作り出しそしてまた作る。そうやってよりよくなったりジャンルが分かれたりしていくのだ。
ただその中で今言ったようなものから外れるものも生まれてくる。空間現代もその一つだ。
空間現代とは
空間現代(kukangendai)とは2006年に結成された3人組のバンドである。今までに3枚のアルバムを出していて坂本龍一と共同で出したZURERUという作品もある。
またこのバンドは「外」という京都にあるライブハウスを自分たちで作りそこを拠点にしている。
知らない音楽を伝える際にジャンルをいうというのが便利だと思うが、このバンドもジャンルというものにも仕分けるとしても自分のボキャブラリーでは分類することができない(あえて言うならバトルズに近いと言えるか?)。
音楽とは何なのか
これは3rdアルバムの「parm」に入っているSingouという曲である。ドラムがリズムをキープしてベースが低音を支えギターがメロディーや伴奏をする、といったアプローチでは全くない。
むしろすべての楽器がそれぞれに音を出していて音階などは分かりづらく、全員が全員リズムを作り出しているようなある意味ポリリズムのような感覚を受ける。
フレーズを切り張りしていってそれをサンプリングしていったかのようなことを人力、それもドラム、ベース、ギターというミニマムの編成ですることで生まれていくずれの様なものが引いては戻ってくる波のような感覚を受ける。そしてそこに心地よい揺らぎをとても感じるようになっていくのだ。
今まで我々が聞いてきた音楽と呼ばれるものとは何なのだろうか。メロディーなのか歌詞なのか。確かにその回答は絶対的な正しさと圧倒的なサンプル数がある。ただ本当にそれだけなのだろうか。このバンドは音楽の可能性という大きなものに立ち向かっていっているのだと、聞いていてとても感じる。
一見分かりにくいものというのは敬遠しやすい。でも一度咀嚼してみるとよいものもある。それは作り手の努力もあるのかもしれないが我々受け手にも責任はあるのだと思う。ぜひ可能性に挑んでいる空間現代をじっくり聞いてほしい。